(仮訳)地中海産の新種、Xeromphalina setulipes
Esteve-Raventós, F. et al., 2010. Xeromphalina setulipes (hygrophoroid clade, Agaricales), a new Mediterranean species. Mycological Progress. …. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-010-0665-6 [Accessed June 15, 2015].
【R3-01922】2015/06/15投稿

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3行まとめ

イベリア半島南部の常緑樹林において土壌から発生した菌を検討し、Xeromphalina setulipesとして新種記載した。
本種は襞が弓状垂生し、傘縁部および襞縁部のシスチジアに珊瑚状突起を有し、柄シスチジアが厚壁、実質の菌糸がKOHで顕著に橙褐色~赤褐色に呈色することなどで特徴づけられた。
本種は同属他種と肉眼的形態、顕微鏡的形態、およびITSとnrLSUに基づく分子系統解析で区別された。
Spain, Ciudad Real Province, Fuencaliente, camino del Robledo de las Hoyas

(新種)

Xeromphalina setulipes Esteve-Rav. & G. Moreno
語源…小剛毛の柄の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Xeromphalina cauticinalis(キチャホウライタケ)
土壌生である
柄の基部に琥珀色の綿毛状菌糸を伴う
柄シスチジアが紡錘形であることがある
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスペインに分布するのではなく周寒帯性の分布を示す
本種と子実体全体の色が異なる
本種と異なり柄の頂部が暗褐色~帯黒色ではなくより淡い黄色
本種と異なり苦味がないのではなく非常に苦味がある
本種と異なり柄シスチジアに浅裂するものや珊瑚状のものが混じる
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xeromphalina campanelloides
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり柄の髄層に黄色の色素顆粒を含む
本種と異なり柄シスチジアが厚壁ではなく薄壁
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xeromphalina brunneola
子実体全体が暗色
柄シスチジアが平滑
本種と異なりオーク林ではなく針葉樹林に発生する
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり側シスチジアが分枝したり珊瑚状になったりしない
本種と異なり傘実質がKOHで呈色しない
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xeromphalina cornui
味が温和
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスペインではなく中欧などに分布する
本種と異なりオーク林ではなく針葉樹林に発生する
本種と異なり典型的にはミズゴケの上に発生する
本種と異なり傘に黄色顆粒を伴う
本種と異なり柄の頂部に黄色顆粒を伴う
本種と異なり柄シスチジアが柄の頂部にしか分布しない
本種と異なり柄シスチジアがねじれたり浅裂したりする
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xeromphalina fraxinophila
柄シスチジアの長さが類似している
柄シスチジアの形状が類似している
nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と子実体の色が異なる
本種より傘の直径が大きい
本種と異なり襞が煙草色ではなく帯黄色
本種より柄の幅が広い
本種と異なり柄シスチジアを事実上欠くか、あっても浅裂する
nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Xeromphalina parvibulbosa
柄シスチジアが類似していることがある
本種と異なり苦味がないのではなく苦味または収斂性の味がある
本種と異なり傘縁部のシスチジアがKOHで呈色しない